山陰海岸ジオパーク

 山陰海岸ジオパーク(さんいんかいがんジオパーク、英名:Sanin Kaigan Geopark)とは、山陰海岸国立公園を中心として、京都府京丹後市の経ヶ岬から鳥取県鳥取市の湖山池西端を含めた白兎海岸までが、山陰海岸ジオパークエリアの対象となっています。その実際の規模は、京都府京丹後市の経ヶ岬から、西は鳥取県鳥取市の白兎海岸まで東西110km、南北最大30kmのエリアで、京都府(京丹後市)、兵庫県(豊岡市、香美町、新温泉町)、鳥取県(岩美町、鳥取市)の1府2県3市3町にまたがります。

 特徴としては、まさに「地形・地質の博物館」であることです。山陰海岸国立公園を中核にしながら、日本海形成から現在に至る過程を示している多様な地質や地形が存在し、それらを背景とした自然の成り立ちを体験・学習できます。約2500万年前にさかのぼる日本海と日本列島の誕生のドラマを確認できる柱状節理や地層の露出、海や川の作用によって形成されたリアス式海岸や、鳥取砂丘などの海岸地形など、地形が多種多様であることによる美しい景観とともに、貴重な地質遺産を確認することができます。

 2010年10月3日に世界ジオパークネットワーク会議(ギリシャにて開催)において審議が行われ、山陰海岸ジオパークが「世界ジオパークネットワーク」(GNN)の加盟地域として選ばれました。

 山陰海岸ジオパーク内での暮らしは、その複雑でバラエティーに富んださまざまな地形を利用しながら、地場に即した地域産業が育まれてきました。山陰沖は非常に変化に富んだ岩礁が多いため、魚の棲みやすい条件が整っています。日本海の陸棚斜面にかけての水深200~400mには松葉ガニ(ズワイガニ)が生息しており、さらに深い水深域には紅ズワイガニが棲んでいます。他にも海岸段丘を利用して棚田が作られたり、海食棚を利用した岩ノリなど、地質・地形がそのまま暮らしに関わっています。

 また温泉地帯としても知られており、山陰海岸ジオパークエリア内には、日本海形成時の活発な火成活動の影響を受けた温泉が数多くあって、その数は実に約40ヶ所にものぼります。京都府の木津温泉、兵庫県の城崎温泉・湯村温泉、鳥取県の岩井温泉などは、まさに1,000年以上の歴史を誇る名湯で、古くから文人墨客に利用され、いろいろな文学や詩歌、歴史書などに記されいます。また冬場には降雪の多いこの地域ならではの特色が見られ、温泉が発見されるまでの経緯にも注目するとおもしろいです。

 照来層群、北但層群からなるこの地域は有数の地すべり地帯として有名で、兵庫の鉢伏においてはこの地形を利用して、棚田が作られました。またレジャーとしては、冬はスキー、夏はパラグライダーやグラススキーが楽しめます。また第四紀火山である神鍋(カンナベ)山は、20~30度のゆるやかな斜面傾斜を持つことから、同じくスキーや、スノーボード、パラグライダーが楽しまれています。反対に位置する鳥取砂丘地域においては、その柔らかい砂と起伏のある斜面を利用しての初心者向けのパラグライダー教室や、サンドボードなどが楽しまれています。